Corporate Governance: 社長の給料はいくらが最適なのか

Corporate Governanceの授業で、アメリカ型企業統治の仕組みの下において企業幹部の給料・インセンティブ企業価値最大化といかにコンフリクトなく結びつけるかという問題について考察している。

There are good theoretical and empirical reasons for concluding that managerial power substantially affects the design of executive compensation in companies with a separation of ownership and control.

アメリカではオペレーション側のボスであるCEOとShareholderの代理者たるべきChairman of the boardが同一者であることが多く、CEOが自分を含めたBoardメンバーの給料、インセンティブプランに多大な影響を与えている。Shareholderの目が必ずしも行き届かない状況下、これは必ずしも企業価値最大化にはつながらない。


そこでどうするか、ということだが、宿題で読んだペーパーはオプションプランをこう変えたらいいとか、こういう条件・制限をつけて縛ればいい、など金銭面にのみフォーカスしていた。以下、対策。


1. そもそも自己の利益を優先して企業価値を破壊するような奴をCEOに選ばない
または、そういう企業文化を醸成する


トヨタの奥田さんとかは企業価値優先すると思う。でも自分の給料とかインセンティブプランってEthicalな問題とも微妙に違うし、難しいかもしれない。自分の利益を凌駕するほどの愛社精神を育むのも相当難しそう。


2. 自己の利益を優先したくてもできない仕組みづくり


そもそもCEOが影響力を持ちすぎなのだ。あるマターにおいてはCEOを監視・統治する仕組みがあればいい。Compensation Committeeを作る。


もう一段上にAudit専用のBoardを設置する手もある。
ヨーロッパではBoardが二つあり、より上層のBoardがAuditの役割を果たしているらしい。クラスメートの発言より。しかし役割分担とか不明確になったりBoard、CEOなどの報告・Transactionなど余計な時間とコストがかかりそう。


3. 自己の利益と企業価値最大化が同じ方向を向いている仕組みづくり


企業価値向上への貢献における自らの業績にダイレクトに結びついたインセンティブプランを作る。ただ、こればっかりだと会計粉飾したり、長期的視野にたった戦略作りや投資を行わなくなりそう。アカウンティングの透明性、長期的戦略への評価を与える仕組み、などバランスをとりながら。


また、プアな業績しか残さずクビになったようなCEOに多額のGratuitous Goodbye Payments、サヨナラボーナスみたいなのを払うのをやめる。


たとえば、

For example, when Mattel CEO Jill Barad resigned under fire, the board forgave a $4.2 million loan, gave her an additional $3.3 million in cash to cover the taxes for forgiveness of another loan and allowed her unvested options to vest automatically. These gratuitous benefits were in addition to the considerable benefits that she received under her employment agreement, which included a termination payment of $26.4 million and a stream of retirement benefits exceeding $700,000 per year.

クビになったのに辞めた後30億プラス毎年7000万以上ってどういうことや。


つっこみ等ありましたらお願いします。