イサカの自然

Yoda2006-02-20



ニューヨーク州イサカ、コーネル大学だというと、知っている人は大体「寒いでしょ」という反応をする。ニューヨーク州といっても随分北のほうに位置し、ニューヨークシティよりもカナダ国境に近いくらいだ。内陸であり、湖のそばで、雪も多い。実際、寒い。


だが今年は例外的なほどの暖冬で、2月も半ばを過ぎたというのに、雪は降ったりとけたりを繰り返し、現時点でも積もっていない。今日などは強い日差しが出ていて、車を運転しているとその日差しで暑かったくらいだ。もちろん、車から出るとマイナス何度とかいう世界なのではあるが。


ただ、アメリカは暖房設備が充実過ぎるくらい充実しており、建物の中に入るととても暖かい。授業が行われるSage Hallでは、授業中はTシャツ姿の生徒もいるほどだ。アパートもたいていはセントラルヒーティングで、汗ばむほど暖かい。
雪が降って積もっても道路が凍らないように、道には融雪剤が撒いてある。その他、寒い国で暮らすための設備は十分整っている。何が言いたいかというと、イサカで暮らしても大丈夫ですよということだ。


冬以外の季節は、本当にとても美しい。人口わずか3万人程度、緑が多く、時折その辺に鹿を見かけるくらい、のどかないなかだ。以前Google Maps衛星写真でイサカ周辺をチェックしてみて、殆ど緑色だったのでさすがに驚いた。人々もどこかリラックスしていて、流れる時間がゆったりとしている気がする。


イサカ周辺には、川や滝が多い。コーネル大学のキャンパス内にすら、Beebee Lakeという湖があり、そこから渓谷に流れ落ちる小さな滝がある。車で15分、20分も行けば、Buttermilk Falls、Taughannock Fallsなど、美しい滝をいくつも見ることができる。そして、イサカはカユガ湖という大きな湖のほとりにある。夏にはボートなどを楽しむ人々がいて、湖畔には高級住宅がずらりと並んでいる。


今日は、ふと思いついて、Buttermilk fallsに立ち寄ってみた。昨日、おとといと寒かったので、滝が凍っている姿を見れるかな、と思ったのだ。今日の暖かい日差しのせいか、凍っているのは半分くらいだったけれど、それが逆に、見たことのない神秘的な雰囲気を作り出していた(写真)。イサカにいると、自然に触れているのが当たり前と錯覚してしまうが、あと数ヶ月で、自然とは無縁な東京に戻ることになる。今のうちにこの美しい場所を満喫しておかなければ、と思った。