「ウェブ進化論」の感想を読んで


梅田望夫さんの「ウェブ進化論」が売れているらしい。僕はまだ読んでいないが、あまりに多くの人がブログで書評を書いていて、それを読んでいると大体内容がわかる。ていうか、普段から梅田さんのブログを読んでいたから、多分大体カバーされている内容なのだろう。その感想の中で、とてもしっくりくるものがあったので、肝心の本を読んでいないにも関わらず、厚かましくエントリを書いてみた。

wa-blo - 「ウェブ進化論」 を読んで
http://d.hatena.ne.jp/hanawa0925/20060215

大学時代に養老孟司の「唯脳論」を読んで、「人間が作るものはすべて、人間の体内にあるものから発想して作られている」というような記述を読んで感銘をうけた。たとえば街のつくりなどにおいて、高速道路があり、細い道路があり、平行して鉄道が走っていて・・・といった構造は、血管や神経の構造によく似ている。


だとすると、インターネットは脳のしくみのアナロジーに違いない、とそのとき思った。個々の考えや知識をネットワークを介してやり取りしながらより大きなムーブメントや新しい発想、イノベーションを生み出していく様は、ニューロンシナプスを介して電気信号をやり取りしながら「考える」行為を生み出していく様にそっくりだと。


上記ブログの人の感想は脳ではなく細胞の組織化をたとえとして挙げているけれど、まあ発想は似たようなものだと思う。インターネットは、自己で自己を組織化し、成長して、今まで個々のレベルでは不可能だった次元の何かを生み出していく可能性を持っている。自己組織化の構造を持っているので、これからどんな風に進化していくのか予測はとても難しいが、その分とても楽しみではある。面白い時代に生まれたものだ。そう思って、僕は通信系の会社に就職した。


ところで、梅田さんがよく言う「ネット社会に詳しい人とそうでない人の断絶」だが、それは僕のまわり、つまりコーネル大学ビジネススクールの生徒のなかですら存在する。というか、まわりに「ロングテール」って言ってピンとくる友達は少ない。そういうのをよく勉強しているはずのMBAですらそうなのだ・・・ まあ、逆にMBAの場合、2年間社会と断絶された環境で勉強漬けになるから、そういった情勢により疎くなってしまうのかもしれないけれど。