Data Driven Marketing: Pricing
このブログでも二回にわたって取り上げたプライシングですが(これとこれ)、今日のData Driven Marketingでも再び取り上げられました。
Sales = exp( α+β*Price)
という関係を使い、売り上げとプライスのデータを使って回帰分析を用いてαとβを求める。expはexponentialで、数学苦手な人はゲゲっと思いがちですが、エクセル君が勝手にやってくれます。
利益は
π = (p−c)*q
単純に、プライスからコストを引いて売り上げ数をかけるだけ。
それを微分をつかってpにおいて解くと(中略)
p = c + (−1/β)
という、比較的シンプルな式が出ます。コストと最初のβを代入すると最適プライスが出ます。このβはプライスに対する価格弾力性を示し、弾力性が大きいほどpは低く設定すべきとこのモデルは言っています。
ただ、これはお客さんに直接売るモデルで、流通をかませると製造と流通の間でそれぞれ利益を最大化しようとし、もう少しややこしくなります。
最終的には
Pm = Cm+ (−(1−Mr)/β)
Pm(製造側の売価) Cm(製造側のコスト) Mr(流通のマージン:売値に対する%)
となります。
たとえば流通のマージンが20%で製造コストが1ドル、βが−2だとすると、1+(− (1−0.2)/2)= 1.4となり、1.4ドルが最適価格となります。
ただ、このモデルには競合のプライシングの影響などが入っていないため、まだ不完全です。今後の授業で競合の要素をゲーム理論も交えながらやっていくそうなので、楽しみです。
しかしながら、こういったコストをもとにしたモデルが実際にどの程度practicalかというのは、かなり疑問ではあります。コア(必修科目)のマーケティングの授業でも、コストをベースにしたプライシングとコンシューマーが買ってくれる値段をベースにしたプライシングとがあり、後者のほうがベターだというニュアンスだった(はず)と思います。ていうか、IT系やサービス系のものだと、そもそも単独商品のコストを導き出すのが難しいし。「iモード事件」で松永真里さんがiモードのプライシングを行った経緯が紹介されていましたが、コストなど1秒も考えてないですよね。ということで、どの程度実務につなげていけるか見極めながら授業を受けていきたいと思います。