Good to Great

Yoda2006-01-15



ブラジル・アルゼンチン旅行から帰ってきました。旅行中、フライトの中などで読んだ「Good to Great」について。邦題は「ビジョナリーカンパニー2」だったと思う。ベストセラーになった「Built to Last」(邦題は「ビジョナリーカンパニー」)に対するフィードバックからインスパイアされて書かれた本。


前作が「会社が永続していくために必要なものは?」という視点での研究だったのに対し、この本は「平凡な会社がGreatな会社に成長するために必要なものは?」という視点での研究をまとめたもの。Walsgreen、Wells Fargo、Fannie Mae、Gillet、Circuit City、Kimberly-Clark、Philip Morrisなど、アメリカ人にとってはなじみがあるが僕にとっては「えーと、聞いたことあるけどあんま詳しくない」レベルの会社を題材にしてくれていた。


で、結論から言うと、平凡な会社がGreatな会社に成長するためには、会社レベルで「立派な人格」みたいなものが必要、またはそういった人格を会社に根付かせることが必要なのかな、というのが僕の感想。たとえば必要要素として挙げられている、経営者の「レベル5リーダーシップ」、これは謙虚で、しかし確固たる意思を持ったリーダー像で、アイアコッカなどの「オレ凄いだろ」タイプは否定されている。他にも、「事実に冷徹に向き合い、現実認識をするが、決して目標はあきらめない」「適切な人材をまず集める、戦略を立てる前に」「その会社が誰よりもうまくやれて、みんなが夢中に、熱くなれて、しかも金が儲かる、そういう事業をコアにする」など。「日本の優秀企業研究」での結論だった、「当たり前のことを実直にやれる企業」と感覚はとても似ている。まあ、ある程度の数の企業を研究対象として、共通の結論を導き出そうとすると、どうしてもソフト寄りに終始した結論になってしまうんでしょうな。


荒木経惟アラーキー)が言っていた「結局、人間としての器量みたいなものがしっかりしてないと写真はダメ、何やってもダメ」という言葉が思い出された。だとすると、この本のプリンシプルを金科玉条のように守っても、経営者の人格がしっかりしてないと結局はダメという気がする。