MBAの就職先、サラリー

Yoda2006-02-28



日本でMBAというと勉強してスキルを身につけに行くところ、というイメージが最初に来ると思う。少なくともそれは定義的にはあっている。経営学修士課程であるから、修士号を取りに勉強しに来るところである。しかし、ビジネススクールはもうひとつの側面を併せ持つ。就職予備校という側面だ。


実際、ビジネススクールに通い始めるまで、こんなにも就職要素が強いとは思っていなかった。日本人の学生は社費派遣の人もいるが、アメリカ人(というか、日本人以外ほぼ全員)私費が圧倒的に多く、彼らは高い金を払ってまでMBAを取りに来ている以上、是が非でもいい仕事を見つけないと・・・という意識でいる。そのため、学校には就職のためのサポートをしてくれる設備・プログラムが揃っている。キャリア・マネジメント・オフィスを中心に、様々な企業のリクルーターを呼んでオンキャンパス・インタビューをしてもらったり、2年生と1年生でインタビュー練習をしたり、などなど。


コーネル大学の場合、イサカという僻地にあるので、大都市に比べ就職活動が大変なのではというイメージがあるが、アイビーリーグの一角ということもあってアメリカのいろんな名門企業がキャンパスまで来てくれる。また、授業やクラブ活動の中でウォールストリートを訪問したり西海岸のハイテク系企業を訪問したりなど、企業との接点を増やす工夫がなされていて、地理的不利を補っている。


僕自身、(就職活動のためというわけではなかったけど)1年生の時にPacific northwest trip と Silicon Valley trip に参加し、ナイキ、amazon、HP、マイクロソフトスターバックスインテル、eBay、Yahoo、シスコなどの優良企業を訪問した。これらの企業のオフィスを見るだけでも観光気分で十分楽しかったが、企業側もMBAの生徒に丁寧に応対してくれ、いろんな話を聞いたり、親睦を深めたりすることができた。


一般的にどんな業界が人気かというと、やはりMBAの定番人気である投資銀行コンサルティングだ。コーネルはどちらかというとアカウンティング・ファイナンスが強いためか、コンサルティングより投資銀行志望が多い気がする。コーポレートファイナンスやセールス&トレーディングも多い。また、意外とP&G、ジョンソン&ジョンソン、ユニリーバなどアメリカを代表する消費財マーケティング系の会社ともコネクションが強く、多くの卒業生が就職する。右上のデータはキャリアマネジメントオフィスの資料より。


投資銀行コンサルティング等の場合(アメリカの場合)、面接等で学校の成績などを訊かれる場合もある。従ってサマーインターンの面接が行われるまでの1年生の秋・冬くらいまでは、みんな割と頑張って勉強し、Gradeを気にする傾向がある。だが2年生とかになると、誰も気にしていない。Gapが激しい。


2001-3年あたりは景気の悪さを反映してMBAの就職状況も思わしくなかったようだが、ここへ来てジョブマーケットは盛り返してきて、昨年・今年と就職状況はすこぶる良かったようだ。


さて、気になるサラリーのほうだが、学校や年度によって大きく違うのだが、コーネルの2005年の場合、平均9万ドルちょっとだったよう。詳しくはコーネルのキャリア関係ページ(http://www.johnson.cornell.edu/career/student.html)のStatisticsをご覧ください。2年間にかかる学費、生活費、Opportunity Costを考慮して、果たして高いか安いか。もちろん就職、転職はサラリーという側面だけで測れるものではないのだが。