MBAの恋愛事情


コーネル大学ジョンソンスクールの1学年の人数は大体260人程度。2年で卒業なので、全体で600人にも満たない。これはビジネススクールの規模としてはかなり小さいほうで、いわゆるスモールスクールを標榜している。意識的に規模を小さく保つことで、密度の濃いチームワーク、学習機会、カルチャーを生み出していこう、そんな目的がある。他の例で言うと、ダートマス大学タック、UCバークレー・ハースなどがスモールスクール。反対に規模が大きいのは、ペンシルバニア大学ウォートンスクール、ハーバードなど。それぞれに特色、メリット・デメリットがあり、出願の際にはよく検討することが必要なのだが、本エントリの趣旨はそこではない。


スモールスクールであるがゆえ、同級生同士は極めて仲がいい。しかもバークレーなどと違うところは、コーネルが存在するニューヨーク州イサカという場所の力。いなかであり、ニューヨークやサンフランシスコなどと違って遊ぶ場所も限られている。そこで、友達同士で集まって、バーなりホームパーティなりで飲むしかない。さらに、冬は厳寒の地である。呼吸すると鼻の奥がミシミシという音を立てて凍る気がする(大袈裟)ような冬を乗り越えると、クラスメートの間に「俺たちはやったぞ」みたいな、一緒に脱獄した囚人のような連帯感が生まれる。この辺は、行ったことはないがダートマスも同じような事情かと思われる。


前置きが長くなったが、このような状況下、親友がたくさんできるのみならず、恋愛も花開くことはいうまでもなかろう。クラスメートのうち、アメリカ人は(比較的短い職歴のあとMBAを取りに来るから)だいたい平均25-7歳、インターナショナルは28-32歳くらいが平均といったところだろうか。そんな年齢でこんな状況下、他にやることもないから、恋でもするか、という気持ちは、ごく自然なことだ(てか勉強しろ)。


というわけで、クラス内カップルは多い。260人のひと学年なのに、10組以上のカップルがいる気がする。しかもつきあってすぐ別れたりするビバヒル状態のため、のべカップル数はもっと多い。「あいつとこいつがつきあっている」だの「あいつとこいつは別れた」だのといったゴシップも、よく耳にする。僕の場合、同級生のY子さんというゴシップ通がいるため、たまに話を聞いて情報をアップデートしておく。


難しいのは、卒業後の身の振り方だ。日本のように殆どの大企業が東京に集中している、というわけではないので、「彼氏はマンハッタンだけど彼女はシアトル」などという状況が簡単に起こる。どうなってしまうのだろう。


昨年受けた「Goal setting and coaching」という授業で、二人一組になり、お互いにゴールを設定してそれに向かって努力し、お互いをコーチングしあう、というのをやった。そのときコーチング・パートナーとなったN(女性)とは、授業が終了した後もちょくちょくミーティングを開いて、お互いにアドバイスしたり、悩みを聞いてあげたり聞いてもらったりしているのだが、今日は恋愛相談だった。何でも同級生のKに言い寄られて、フッた後もめているらしい。(これを読んでいるコーネル2年の人たちへ:口外厳禁) 留学していろいろな勉強、体験をしたけれど、こんな高校生みたいな悩みの相談で頭を使うことになるとはなあ、と感慨にふけった冬の夕暮れであった。


# 今日のエントリがおよそシリアスさに欠けているのは、今日行われたIntermediate Accountingの試験が壊滅的だったからでは決してありません。