ソーシャルブックマークの功罪

del.cio.usや、はてなブックマーク改めはてなお気に入り、などのソーシャルブックマークが登場して、ある程度の人気を集めている。僕もはてなブックマークは基本的にほぼ毎日使っていて、自分の気になった記事のクリッピングだけでなく、ブックマーク回数の多い記事のチェック、及び何人かの他のユーザーのブックマークを定期的にチェックして、自分の情報収集の漏れを防ぐことに利用している。


ソーシャルブックマークサービスは、1.情報収集者として、2.情報提供/発信者として、の2つの立場にインパクトを与えた。


1.情報収集者として
上記のような情報の漏れを防ぐことにより情報収集のコストを劇的に下げたこと、他のユーザーがどんな記事に関心があるかという一種のトレンドウォッチャー的役割、などの点で利便性向上。ただし、あくまで情報の二次利用というか、誰かの手によって収集された情報を利用しているということ、その利便性ゆえに一次情報へのアクセスをしなくなっていく傾向はあるかもしれない。そんなに大きなリスクとは思えないが。


みんなが同じように情報を共有できると、それをベースとした議論や付加価値の付いた情報が生まれ、それがさらに共有されて、、、という好循環がまわりそうだが、逆に「みんなが最大公約数的に同じ情報を見て終了」という心配もある。特に、情報がいっぱいあって、しかも自分のほしい情報を効率よく手に入れることができると、どうしてもそこで満足してしまって、「いやー今日もいろいろ読んだな」で終わってしまいそう。しかしそれで終わるのではなく、その情報をもとに「自分で考える」ことをしないといけない。


2.情報提供/発信者として
今までよりも簡単に有用な情報を収集できるようになったということは、きちんと差別化された/価値が付加された情報でないと提供する意味がなくなったということ。そして、はてなブックマークの人気記事を見ていると、大体次のように分類されると思う:


(1)情報の翻訳、アクセスしにくい情報を紹介してくれる
簡単な例は海外のサイトを翻訳して伝える記事であったり、難しい概念を説明してくれるような記事であったり。梅田さんの「英語で読むITトレンド」など。


(2)特殊な情報を提供してくれる
特別な体験など希少性の高い情報を提供。特別な職業だったり、特別な環境にある場合の情報。このブログもMBA留学というある種特殊な情報を提供すると言う意味ではここに分類されると思う。


(3)情報に一定の解釈や意味づけを行ってくれる
情報としては誰もがアクセスできるものだが、そこにプラスアルファをつけることによって価値を産んでいるもの。R30さん、梅田さんなど。


(4)情報のまとめ、リンク集的なもの
便利なショートカットキーのまとめ、など。リファレンスとして使えるもの。


これから人気記事を書いたり、人気ブログを目指すなら、ソーシャルブックマークでブックマークされること、を意識するのが近道かもしれない。その際、上記のようなポイントを踏まえていれば、情報の海に沈んでしまうことなく浮かび上がってくる可能性は上がるだろう。